巨勢山古墳群

巨勢山古墳群(こせやまこふんぐん)は奈良県御所市の巨勢山丘陵に所在する日本国内最大級の群集墳である。2002年(平成14年)12月19日に国の史跡に指定されている。

墳丘下にはいわゆる木炭木槨墓といわれる構造の主体部があり、まず、長さ3.4m、幅1.5mの大きな墓壙を穿ち、この中に木炭を敷き詰めた後、長さ2.2m、幅1.Omの木槨を設置し、さらにその中に長さ2.Om、幅0.6mの木棺(いずれも外法)を収め、木槨を木炭で包んでいます。
 棺内副葬品には金銅装短刀、刀子、水晶丸玉などがあり、木槨上には石帯(巡方4点、丸鞆5点、鉈尾1点)や碁石とみられる白石6点、黒石2点などが撒かれていました。また、墓壙を埋めた木炭内からは須恵器水瓶や土師器杯などが出土しています。なお、木槨には蝦錠が付き、木槨・木棺に用いられた鉄釘の数は100点を超えます。
 以上から被葬者は、平安遷都で知られる桓武天皇に仕えた貴人であり、類例の少ない木炭木槨墓という手の込んだ構造の埋葬主体や副葬品の豪華さは、被葬者がかなり高位にあったことを想定させます。*平成14年(2002年)3月23・24日 御所市教育委員会 調査資料より

下記写真は平成14年3月23日の現地説明会で撮影したものです。(撮影:平井雄司)